紅茶の定番、レモンティ! その起源とおすすめの飲み方は?

ストレートティ、ミルクティ、そしてレモンティ。みなさんの紅茶の好みの飲み方は何ですか?
今回は、すっきりとした後味がさわやかなレモンティに焦点をあてて、その起源と美味しい飲み方のおすすめをご紹介します。

【目次】
1.レモンティの起源はアメリカ!
2.ヨーロッパでもレモンティは一般的?
3.レモンをいれると、紅茶の色はうすくなるのはなぜ?
4.レモンティにおすすめの茶葉の定番、ダージリン、アールグレイ。ほかには?
5.スライスしたレモンは、カップに沈めないこと
6.おいしいレモンティの淹れ方。じゅうぶんに蒸らしてからカップに注ぐ
7.まとめ

1.レモンティの起源はアメリカ!

 紅茶といえばイギリス。  でも、レモンティの起源は、実はアメリカだと言われています。  もともとレモンは寒さに弱く、冬暖かく夏は乾燥する地域でよく栽培される果実。  アメリカの南部に位置するカリフォルニアは、同じく南部にあるフロリダとともにレモンの主要産地で、19世紀後半になると、地道な品種改良が功を奏し、特にカリフォルニアが世界最大のレモンの産地のひとつになりました。  そんななか、いつのころからか、カリフォルニアには紅茶にレモンを入れて飲む習慣が生まれたようです。

 日本にレモンティが広まったのは、諸説ありますが、「カリフォルニアの紅茶のおしゃれな飲み方」としてレモンティが女性雑誌などに紹介されたことなどによるようです。

2.ヨーロッパでもレモンティは一般的?

 紅茶の国、イギリスではどうなのでしょうか。  寒さに弱いレモンはイギリスでは栽培されておらず、当然長らく紅茶をレモンティにして飲む習慣はなかったようです。 現在でも、私たちがすっきりさわやかと感じるあの味を好まない人もいるのだとか。  しかし、外国人の往来が日本より多いイギリス。 最近では、カフェやレストランで紅茶をオーダーすると、日本と同じようにレモンかミルクかをふつうに聞かれるようになってきているそうです。    ヨーロッパの中でレモンティが飲まれているのは、ドイツやポーランド、デンマークなどの国々。 カフェやレストランなどで紅茶をオーダーすると、紅茶に小皿にスライスされたレモンが添えられた状態で運ばれてくることが多いそうです。  それらの国々では逆にミルクティは一般的ではなく、ミルクを足すと言えば紅茶ではなくコーヒーの方、という考え方のようです。

3.レモンをいれると、紅茶の色はうすくなるのはなぜ?

 スライスされたレモンが添えられた紅茶。  ぎゅっと絞ったレモンの果汁のしずくが紅茶に落ちると、波紋のひろがりとともに、紅茶の色がすこしだけうすくなります。  これってなぜなのでしょうか。  紅茶のあの美しい色合いは、テアルビジンとテアフラビンという、2種類のポリフェノールの成分によるものです。  酸っぱいレモンはもちろん酸性。  レモンのしずくが入ると、紅茶を色づかせている2種類のポリフェノール成分のうち、テアフラビンの方が無色に変化し、テアルビジンだけが紅茶の色素となるので、薄くなったような見た目になるのだそうです。  テアフラビンは酸性に反応するので、レモンでなくても、例えばグレープフルーツのしずくでも無色に変化します。  あまり試す人はいないと思いますが、もちろんお酢をいれても無色に変化するのを観察できますよ。

4.レモンティにおすすめの茶葉の定番、ダージリン、アールグレイ。ほかには?

 紅茶として飲まれている茶葉はたくさんあります。  その中で、レモンティにするならおすすめしたいのは、ダージリン。  渋みはありますがクセが少なく、レモンティにしても味が競合することがありません。

 つぎにご紹介したいのが、アールグレイ。  これはフレーバーティのひとつで、もともとレモンと同じ柑橘系のベルガモットという果実の香りがつけられた茶葉。  レモンティにすることで、よりいっそう風味にさわやかさが増し、おすすめです。

 ケニア茶も、レモンティとして飲むとおいしい茶葉のひとつ。  深いコクと渋みはありますが、甘くてフレッシュな優しい香りをもち、レモンのさわやかさと相性がよい茶葉です。

 そして、淹れると濃いめのオレンジ色になる、シッキム。  希少価値の高い茶葉ですが、渋みが少なく、コクのあるまろやかな風味はレモンティによく合います。

 穏やかな香りが特徴のニルギリも、レモンティにするとおいしいですよ。  クセがなく、渋みはありますがとてもマイルド。  レモンティ以外にも、スパイス系紅茶にしてもおいしい茶葉です。

5.スライスしたレモンは、カップに沈めないこと

 紅茶にスライスしたレモンが添えられていた場合、レモンはカップに浮かべますよね。  そのあとはどうするのがよいのでしょうか。  レモンは、あまり長い間紅茶に浸しておくと、どんどん紅茶を酸っぱくしていってしまいます。  おすすめは、レモンを紅茶に入れた後、軽くスプーンでかき回したらすぐ取り出してしまうこと。  飲み終わるまでレモンをそのままにしておいたり、わざわざカップに沈めたりすると、必要以上に紅茶が酸っぱくなってしまうので避けたほうがよいでしょう。 酸っぱいのが好き! とい方もいますので、取り出すタイミングはお好みでよいかとも思いますが、そこまで酸っぱいものを好むわけではないという方の場合は、レモンはあくまで香りづけ、という感覚で短時間で引き上げるのがおすすめです。 もったいないから果汁を最大限紅茶に…、などと深々と沈めたり、スプーンで押してしつこく絞ったりしていると、そのうちレモンの皮から渋みが出て紅茶にとけこんでしまいます。 もちろん、それがレモンティのだいご味なのだという方もいらっしゃるかもしれませんが、レモンティとしておいしく飲みたい、という場合は、すぐ取り出すスタイルの方で飲んでみてください。

 なお、カップから取り出したレモンやスプーンは受け皿に置くケースが多いと思いますが、両方ともカップの向こう側に置くのがマナー。  これなら、カプを置いたり持ち上げたりするときにもじゃまにならずにすみますね。

6.おいしいレモンティの淹れ方。じゅうぶんに蒸らしてからカップに注ぐ

 最後に、レモンティを美味しく淹れるおすすめの方法をご紹介します。 1. あらかじめティーポットとカップにお湯を入れるなどして温めておきます。 2. 温めるのに使った湯を捨て、茶葉と熱湯を入れてふたをし、蒸らします。 このとき、ティーポッドカバーなどがあれば、ティーポットにそれをかぶせておくとよいでしょう。 なお、蒸らす時間は茶葉の大きさによって違います。 ストレートティであれば細かい茶葉は2分半〜3分、大きい茶葉は3〜4分が目安なのですが、レモンティの場合は渋みを抑えるため、もう少し短めが良いでしょう。 3. カップに注ぎ、飲む直前にスライスしたレモンを浮かべて出来上がりです。

7.まとめ

 レモンティの起源は、紅茶大国イギリスではなくアメリカ。  アメリカにはレモンの一大産地があり、そこの人たちが紅茶にレモンを入れだしたのが始まりだと言われています。  おすすめのレモンティの淹れ方、飲み方としては、蒸らした紅茶をカップに注ぎ、飲む直前にスライスしたレモンを浮かべる。  そして、すこしスプーンでかき回してレモンを取り出すことで、レモンの香り豊かなレモンティを味わうことができます。

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