紅茶といえばミルクティ! その起源と、おすすめの淹れ方をご紹介!
紅茶の定番といえば、ストレートティ、レモンティ、そしてミルクティではないでしょうか。 実は、お茶に胃にやさしいとされるミルクを足して飲むスタイルは、古くからありました。 今回はこのミルクティに注目。 いつ、どこで始まった飲み方なのか、そしておいしい淹れ方について改めて調べてみました。
【目次】
1.意外に歴史が古い、ミルクティという飲み方
2.甘〜いミルクティといえばインド!
3.冷たくて甘いミルクティといえば、タイ
4.ロイヤルミルクティは、イギリスと日本とで淹れ方が違う
5.台湾発祥、タピオカミルクティ!
6.遊牧民に愛される、塩味ミルクティ
7.まとめ
1.意外に歴史が古い、ミルクティという飲み方
ヨーロッパにお茶が伝わり、紅茶として広く飲まれるようになったのは17世紀。 しかし、アジアでは、中国にはじまり少なくとも4世紀ごろにはお茶を飲む習慣がありました。 その後交易などによって中国のお茶は各地に広がっていくのですが、そんな中、ユーラシア大陸の遊牧民の間で、お茶に牛や羊の乳やバターを入れて飲む習慣が広がっていったのが、お茶とミルクの出会いではないかと言われています。 お茶には渋みの成分であるタンニンが含まれていますので、それをまろやかにしたい。 また、長い冬の寒さに耐えうる栄養をとるため、タンパク質が多く栄養価の高いミルクを入れよう、という発想だったのかもしれませんね。
ヨーロッパにおいてミルクティの一番古い記録は、1655年。 当時の東インド会社の大使が中国で皇帝から晩さん会に招待されたときに、出されたお茶にミルクを入れて飲んだ、とあるそうで、これがヨーロッパに伝わったのではと考えられています。
2.甘〜いミルクティといえばインド!
インドに旅行したり、国内のインド料理店などで甘いミルクティ、チャイを飲んだことのある人は多いでしょう。 インドには、甘いミルクティが一般的になる要因がいくつも揃っていました。 たとえば、インドが赤道に近く一年をとおして日照時間に変化がないため、家畜に特定の出産シーズンというものがなく、年間を通して新鮮なミルクを手に入れることができました。 また、熱帯植物でもある砂糖の一大産地でもあり、甘いミルクティは生まれるべくして誕生した、ともいえるでしょう。
チャイの作り方はざっくり2タイプに分けられ、主に北インドでは茶葉、水、牛乳、砂糖、スパイスを鍋に入れ、ぐつぐつに出して最後に布でこして出来上がりです。 南インドでは、紅茶は別に淹れてカップに移し、同じく牛乳を注いだ別のカップを用意してそれらを高い位置から撹拌して出来上がりです。
3.冷たくて甘いミルクティといえば、タイ
同じく南国で甘いミルクティで有名なのは、タイです。 タイティの場合はアイスティスタイルで、現地ではチャーノムイェンとよばれています。 暑さを乗り切り脱水症状や熱中症を予防しようということでよく飲まれているようです。 特徴は、スパイスとしてバニラが使われていること。 ミルクの代わりに甘いコンデンスミルクで提供しているカフェもあり、バニラの香りと濃厚な甘さがクセになる、と人気上昇中です。
4.ロイヤルミルクティは、イギリスと日本とで淹れ方が違う
ロイヤルミルクティというと、煮込み式の紅茶のイメージがありますよね。 この方法で作るミルクティを「ロイヤルミルクティ」という名称で初めて提供したのは、ロンドンティールームです。 それ以前も「ロイヤルミルクティ」を名乗る紅茶は存在し、そちらは濃く出した紅茶に沸かしたミルクを注いで砂糖を加えたものだったそうです。
ところで日本で飲まれているロイヤルミルクティと、ロンドンティールームのロイヤルミルクティ、実は作り方が違うのを、ご存知でしょうか。 日本では、あらかじめ湯で茶葉を開かせておき、それを沸かしたミルクに入れて火を止めるという作り方。 ロンドンティールームの場合は、沸騰した湯に茶葉を入れ、強火で煮込んだものにミルクをいれて作ります。 どちらもコクのある濃厚なミルクティ、という点では同じですので、つくりくらべてみるのも楽しいかもしれません。
もうひとつ、日本のミルクティとイギリスのミルクティでは異なる点があります。 それは、ミルクを先に入れるか、後に入れるかということ。 日本では紅茶を先にカップに注ぎ、ミルクを足して飲みますが、イギリスの場合は、先にミルクをカップに注いでから紅茶を淹れる、というスタイルを好む人が多いそうです。
なお、イギリスでは紅茶はミルクティで飲まれることが多いのですが、イギリス以外のヨーロッパでは、ミルクを入れて飲むものといえばコーヒーの方で、紅茶をオーダーするとスライスしたレモンが添えられて提供されることが多いそうです。
5.台湾発祥、タピオカミルクティ!
タピオカミルクティが登場したのは、日本がバブルに沸く1983年。 台湾で、中国茶をもっと西洋風で現代的にアレンジしようと生まれたミルクティです。 サトウキビと紅茶、そして氷をシェイクし、そこに台湾で古くから食されていたタピオカを追加して販売すると大人気に。 販売開始から10年ほどで、台湾の国民的飲み物に成長し、2000年ころに日本に上陸、今日まで続く人気を博しています。
遊牧民に愛される、塩味ミルクティ
この記事の冒頭でも触れましたが、中国と交易のあった遊牧民にも、はやくからお茶にミルクを入れて飲む習慣が始まっていました。 その中でも、モンゴルで愛飲されているスーテイ・ツァイというミルクティは、煮だしたプーアール茶にヤギのミルクと岩塩をくわえたもの。 野菜が育たない遊牧民の地域では、こうしたミルクティは、嗜好品というよりスープのような感覚で飲まれているそうです。 同じくスープ感覚でお茶を飲む習慣のあるブータンやチベット、モンゴルでは、ミルクの代わりにバターを入れています。 そしてもちろん、塩味。 飲むことで体を温める効果があり、寒い地域にぴったりな飲み物というわけですね。
6.様々なミルクティが味わえる中国
お茶発祥の地である中国では、お茶の種類が数百種もあると言われ、ミルクティも例外ではありません。 現在、中国の各地には様々なタイプのミルクティが存在し、先述したような塩味が特徴のモンゴルのスーテイ・ツァイ、チベットのバター茶、ミルクの代わりにココナッツミルクを使った椰香ミルクティー、ミルクの代わりにエバミルクをつかった香港ミルクティ、コーヒーに紅茶とミルクを加えた鴛鴦茶、そしてタピオカミルクティなどなど、カフェ巡りをすることで世界中のミルクティを制覇できると言っても過言ではないでしょう。 若い世代の間でこれまでに何度もミルクティブームが起き、新商品のニュースが流れるたびに、何時間も列を作って購入するほどの熱狂ぶりなのです。
7.まとめ
ミルクティの歴史と、世界各地の主なミルクティをご紹介しました。 インドなど南アジアで好まれる甘いミルクティ。 遊牧民は塩味のミルクティをスープのように飲むこと。 日本とイギリスではロイヤルミルクティの作り方が異なること。 比較的新しいタピオカミルクティ。 そして、ほぼ世界中のあらゆるミルクティを味わえる中国などです。 お茶と人とのかかわりは古く、その分様々な飲まれ方が誕生してきたというわけですね。カテゴリーから探す
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