世界中で紅茶は親しまれていますが、生産国のトップが分布している地域のことをティーベルトと言います。赤道から北回帰線ではさまれたエリアに分布しており、ケッペルの気候区分にしたがうと熱帯から亜熱帯気候に属するエリアです。

具体的には中国やインド・スリランカからバングラディシュやアフリカの一部のエリアなど、かなり広範囲なエリアをカバーしています。特に中国は生産量ベースで見ると圧倒的シェアを占めています。そこで今回は中国の代表的な紅茶である、キームン・雲南紅茶・ラスサンスーチョンについて御紹介します。

そもそも中国では緑茶が主に生産されてきました。ところが19世紀になり欧米諸国との通商が開始されると、ヨーロッパでの紅茶需要の高まりを受けて、中国国内各地でも紅茶生産が開始されます。その結果、中国各地では緑茶と並んで紅茶の主要な清算品目になったわけです。とりわけキームンは、インドのタージリン・スリランカのウパと並んで世界さん題名茶の一つに数えられているほどです。スモーキーな香りが特徴ですが、最上級のものではバラのような「キームン香」と呼ばれる有名な芳香があり、深みがありながら黄金色に輝く水色が特徴です。

雲南紅茶は中国の内陸の高山地域の雲南省地域で栽培されている紅茶で、蜜のような甘い香りが特徴です。これはインドやスリランカなどの南アジアエリアの紅茶にはないフレーバーで、ストレートはもちろんミルクティーでも楽しむことができます。茶葉は複数回、お湯で抽出しても同じ風味を堪能できるのが特徴です。

ラスサンスーチョンは、「世界で初めて作られた紅茶」として有名で、もともとは福建省の険しい岩山に自生していた原種の紅茶になります。17世紀には生薬として取引されるなど珍重されてきました。日本人の嗅覚では独特の風合いですが、イギリスでは大変人気があり中国からイギリスに盛んに輸出されています。英国王室にも献上されるほど高貴な紅茶で有名です。
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