スリランカでは主に5つの産地で紅茶が生産されていますが、産地別によって紅茶の特徴や味わいが異なることも魅力の一つだといわれています。高産地で生産されている紅茶の一つである「ウバ」は、世界三大銘茶の一つだと数えられており昼夜の寒暖差によって発生する霧がこの紅茶の独特の香りであるウバフレーバーを作り出し、すずらんの花香やメンソールのような風味が楽しめるとして高値で取引されています。

クオリティーシーズンは7月から9月で赤身の濃いオレンジ色の水色と爽快な渋み、特有の香気とコクが楽しめます。ゴールデンリングと呼ばれるカップの縁の水色を楽しむ場合はストレートがおすすめですが、ミルクティーにしても非常に美味です。

中地産で栽培されている紅茶には「キャンディ」があり、スリランカ南部の大陸に位置し最後のシンハラ王朝があった古都キャンディは、スリランカ紅茶の生みの親といわれるジェームズ・テーラーが最初に開いた産地としても有名な紅茶です。高地産の紅茶と比較してキャンディの水色はやや濃く、輝きのある鮮やかな紅色をしていることが特徴です。渋みは少なくくせのないすっきりとした味わいと芳香な香気を同時に楽しむことができます。ストレートで飲む以外にもバリエーションティーや、アイスティーにも向いている種類となっています。

低地産で栽培されている紅茶の一つには「ルフナ」があります。ルフナはシンハリ語で南という意味を持っており、スリランカの南部で生産されている低地産紅茶として愛されています。茶葉の外観は黒っぽく、水色は濃く深い赤色が特徴で渋みは少ないのに対して、燻したようなスモーキーな風味としっかりとした味わいがあるのでミルクティーにしても色合いが深くマイルドな風味を味わうことができます。中近東への輸出が多い種類で現地ではチャイ用の茶葉で使用されているほか、ルフナの特有の香りは日本でも根強い人気があり、ペットボトル紅茶としても使われる機会が多いです。
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